【有田焼】玳皮天目ロックカップ「蓬莱山」

玳皮天目ロックカップ『 蓬莱山 (ほうらいさん) 』

有田焼窯元の名門、真右エ門窯の当代である二代目 真右衛門は日本最大級の美術展「日展」において、最高峰の賞と称される日展特選を2012年に受賞。
その時の出品作である『遥かな嶺』は山の形を表現した見事な佇まいから世間の注目を浴びました。
本作は、その『遥かな嶺』の重厚感や山の威容をそのままの雰囲気に凝縮し、ロックカップとして特別企画した贅沢な作品です。

掛けられた釉薬は学芸員にも推薦を受けたという『玳皮天目』別名鼈甲釉。器に生じる斑紋が、まるで玳瑁(タイマイ)という海亀の甲羅のように見えることからそう呼ばれて参りました。玳皮天目は海鼠釉をベースとした後、幾重にも鉄釉を吹き付けることでこの独特の斑紋が現れます。

本作は「雲霧法 (うんむほう) 」と呼ばれる霧状の釉を匠の研ぎ澄まされた感覚で吹きかける非常に難易度の高い技法を用いて作陶がなされます。美しく焼き上がる率はとても少なく半分でも出来上がれば良い方とも言われ、その時の窯によっては全滅してしまうこともしばしば。空気中の僅かな湿度にも影響を受け、さらに窯焚き時の一度、二度の温度差でも成功や失敗が左右されます。

口縁に口づければ、山々の息吹が伝わってきそうな安定感に溢るるどっしりとした造形。書斎やリビングで思考に耽る時になど、大自然と一体と化すような不思議な感覚をお楽しみ頂けることと存じます。

蓬莱山という言葉の由来は秦の始皇帝に仕えた徐福が目指した不老不死の山。人間の未知なる無限の可能性をテーマとして、本作は名付けられております。卓上の美術品の最高峰として、お使い頂ける方々の世界観が変わるかのような生命力に満ちた雰囲気を持つ名作に仕上がっております。