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小石原焼の画像

記事: 軍師官兵衛と繋がる焼き物 窯元~歴史など小石原焼について

軍師官兵衛と繋がる焼き物 窯元~歴史など小石原焼について

小石原焼とは、福岡県朝倉郡で作られている陶器です。素朴なデザインが印象的な小石原焼ですが、その作品にはいったいどのような特徴があるのでしょうか。今回は窯元から歴史など2020年現在の最新情報を提供いたします。

小石原焼と高取焼の歴史

小石原焼は1677年に福岡藩主黒田光之が高取焼の陶工を招いて開窯させたのが始まりです。有田焼の開窯が1600年代前半であることを考えると多少新しい焼き物といえます。その後高取焼の影響を強く受けつつも、小石原焼独特の刷毛目や飛び鉋、流し掛けなどといった特徴的な技法を生み、雑器として発展しました。

民芸運動と小鹿田焼

小石原焼独自の技法を用いた雑器は昭和初期に民芸運動で知られるバーナード・リーチ、浜田庄司らが用の美の極致として評価し、全国的に小石原焼が広まるきっかけとなりました。なお、そうした技法は地域的に近隣にある小鹿田焼に伝わることとなります。

小石原焼の作り方

気になる作り方ですが、小石原の陶土を掘ってそれを乾かします。谷川の水を使って、乾かした陶土を粉砕して細かくしたら、次はこす作業です。水槽を利用して粉砕した陶土をこしていき、粘り気が出るまで同じ作業を繰り返します。この作業が終わったら脱水です。 脱水が終わったら、練る作業です。菊練りと言う菊の花びらのように練っていく作業をします。この菊練りをすることで、中に入っている空気を抜き出して、粘りと硬さを出します。それから手作業で丁寧に土を練る作業です。陶土の粒子を均一にし、水分濃度も全体的に均一にする必要があります。 そして、ろくろを使って成形していきます。成形できたら天日干しして乾燥し、乾燥したら指や道具を使って模様付けです。様々な模様を付けたら化粧土を付けて、ろくろを回しながら鉄片を当てて削ります。それから素焼きして、釉薬掛けです。地元で取れる藁灰や木灰などを使って作った釉薬を使うのですが、小石原焼は柄杓を使ってかけたり、一気に釉薬をかける打ち掛けなどの手法があり、これが小石原焼の特徴です。 釉薬掛けの次は本焼きを行います。窯の中に作品を並べて、大体15時間くらいかけて1000度に達したら横炊きの工程に移ります。窯の温度が1300度になったら上の窯の横炊きです。そして、火入れから40時間くらい窯で焼き、炊き上がったら1週間かけて窯を冷やして窯出しです。 こうして、小石原焼が出来上がります。他の焼き物とは違った工程もあり、それが独特な美しさを表現してくれるのかもしれません。昔は電動のろくろではありませんでしたが、今では電動を使うことがとても多くなりました。模様を作る工程が独特で、この工程があるからこそ他の焼き物とは違った小石原焼ならではの美しさを表現することができます。

小石原焼の窯元

陶磁器を窯で焼成して生産する場所を窯元とよびますが、小石原焼の窯元は比較的小規模なものが多く、家族経営や個人作家などが主流です。今回は特に人気の窯元について紹介いたします。

翁明窯元(おうめい窯元)

特に有名なのがこちらの翁明です。親子二代に渡って運営を続ける窯元です。水玉模様の作品がよく知られています。また、そうした近年の柄と飛び鉋技法など古典的技法とを組み合わせることで、伝統をいかしつつもあらたな時代の器を作陶し続けています。

小石原焼のふるさと納税

https://www.youtube.com/watch?v=PvVd8fLhc2E

今回は日本の焼き物の一角である小石原焼の全貌を明らかにしました。なお、5月、10月には民陶祭とよばれる陶器市が毎年開催されています。手に取って実物を眺められたい方は直接観光にいかれるのがおすすめです。