佐賀県有田町の名所九州陶磁文化館のご紹介
有田焼で有名な佐賀県有田町には様々な名所がありますが、九州陶磁文化館も名所のひとつです。 九州陶磁文化館は九州全域の陶磁器を収集している施設で、古い時代の作品から現代作家の作品まで幅広く揃えています。 5つの展示室があり、第1展示室では通年で様々な企画展が行われます。 第1展示室には個展やグループ展などに使用される一般展示室と茶室があります。 第2展示室では九州の重要文化財や優れた陶芸家の作品を展示していますが、佐賀県の作品が最も多いです。 県別の展示構成になっているので、各地域の特色が把握しやすくなっています。
様々な作品群
伝統的な作品だけでなく、前衛的な作品も一緒に展示されているのが特徴です。 第3展示室では佐賀県の古伊万里や柿右衛門、鍋島などの製品に加えて長崎県の亀山焼や福岡県の上野焼など九州各地の古い陶磁器を紹介しています。 第4展示室では、陶磁器の基礎知識を得られる資料が展示されています。 九州では様々な陶磁器が生まれていますが、源流となる中国陶磁や朝鮮陶磁の年表もあります。 日本陶磁の歴史パネルがあり、オランダ貿易と古伊万里の特色も紹介されています。
蒲原コレクション
第4展示室の目玉は、日本に里帰りした蒲原コレクションの古伊万里です。 蒲原コレクションは有田町出身の蒲原氏がヨーロッパ各地を巡って蒐集した古伊万里のコレクションで、有田町に寄贈されています。 有田で作られた磁器は伊万里港から運ばれたため江戸時代は伊万里焼と呼ばれ、現在では古伊万里と呼ばれます。 古伊万里は外国にも輸出され、特にヨーロッパで人気を博します。 ヨーロッパに輸出された古伊万里には様々な特徴があり、染付の藍色と上絵付けの色を合わせた華やかなタイプが有名です。 蒲原コレクションは佐賀県立九州陶磁文化館のオープンに合わせて、有田町から寄託されたものです。
柴田コレクション
第5展示室には、柴田夫妻が九州陶磁文化館に寄贈したコレクションがあります。 コレクションの中心は古伊万里で、様式の変遷がわかる貴重なコレクションです。 代表的な作品を中心に、寄贈された1万以上のコレクションの中から約1000点を展示しています。 九州陶磁文化館では毎年12月に作品の展示替えを行っているので、楽しみにしているファンも多いです。
唐津高取家
九州陶磁文化館には唐津高取家寄贈品もあり、2007年に寄贈された陶磁器が紹介されています。 佐賀県唐津市には重要文化財の旧高取家住宅がありますが、寄贈された陶磁器は旧高取邸で使用されたものです。 唐津高取家寄贈品には、肥前の陶磁器だけでなく日本各地の陶磁器や諸外国の陶磁器も含まれています。 館内には、江戸時代の本物の古伊万里でコーヒーを楽しめる喫茶店があります。 コーヒーや紅茶など様々な飲み物の他に美味しいケーキも味わえます。 使用する陶磁器は柴田夫妻コレクションの姉妹品で、多くの陶磁器ファンを魅了しています。 軽食もありカレーやピラフなどを食べながら、じっくりと古伊万里を堪能できます。