佐賀県有田町の名所陶山神社のご紹介
佐賀県有田町の名所陶山神社は、有田町の大樽に鎮座しているのが特徴で、正式名称とは別にとうざんじんじゃとも呼ばれています。 江戸時代に遡ると、当時創建に関わった鍋島藩の皿山代官は有田の統治や有田焼の管理を担っており、陶工に関する管理も行っていたとされます。 やがて陶山神社は有田焼陶祖の神に位置づけられ、陶工を中心に崇敬を集めるに至りました。 この神社の鳥居は有田焼と関係が深いことから、磁器で作られているのがポイントです。 奉納されたのは明治21年のことで、以来白磁に天然呉須の青い文様がシンボルとなり、訪れる人を歓迎し続けています。 しかし奉納から130年以上が経過していることもあり、ひび割れや欠けといった傷みが目立つようになりました。 ところが2020年に修復が行われ、建立された当時を想像させる美しい姿に蘇っています。 陶山神社の鳥居は高さが約3.7m、幅が約3.9mとほぼ正方形に収まるサイズで、決して大きくはないものの独特の質感が存在感を放ちます。 鳥居をくぐると狛犬が出迎えてくれますが、この狛犬もまた磁器製で立派な作りとなっています。 鳥居は登録文化財に登録されていますから、今後も大切に守られたり、街や地域のシンボルとして残り続けることになるでしょう。 白磁の質感が見事に美しく、絶妙な造形も相まって訪れる人の目を引きます。 遠くから見ても存在感がありますが、近づくとより迫力を感じることができます。 陶山神社の境内には、磁器製の大水瓶や登録文化財の磁器製玉垣、同じく登録文化財の青銅狛犬があります。 磁器製玉垣と青銅狛犬は日本一といわれており、造形や質感と美しさを目で楽しめます。 陶山神社にはもう1つ、登録文化財の青銅製燈籠も重要な存在です。 こちらも精巧で情緒がありますし、この神社の風景の1つとしてなくてはならないものとなっています。 境内を進むと陶祖李参平碑や忠魂碑や、深川栄左衛門碑と江越禮太記念碑などが見えてきます。 それだけゆかりのある人物が多く、沢山の人達によって支えられてきたことが窺えます。 海軍大将の元帥古賀峯一慰もここに祀られているので、改めて陶山神社は歴史の長さを感じさせることが分かります。 創建は万治元年の1658年のことで、今から350年以上も前です。 主祭神は八幡神の応神天皇で、鍋島直茂と有田焼の生みの親の李参平が配祀されています。 創建が決まったのは、有田皿山代官の命によるもので、現在の伊万里市二里町鎮座の神之原八幡宮により、分霊を勧請して創祀されました。 当時は有田皿山宗廟八幡宮という名前でしたが、明治に現在の名前に改められ、明治5年に村社に列しています。 大正6年、1917年に有田焼創成300年を迎え、記念して有田焼の祖、李参平公を顕彰する記念碑が建てられました。 境内にある石段の頂上には、眼前に九州旅客鉄道佐世保線の線路の踏切がくるので、珍しい景色として注目を集めます。 ただ踏切警報機がなく遮断機が設置されていないので、通行する際には注意を要します。