陶芸界を代表する有田の名窯 真右エ門
釉薬を巧みに操り、「辰砂」「油滴天目」「銀河」など数々の美しい窯変物を生み出す有田焼「真右エ門窯」。本記事では、宝石のような美しさが魅力の「真右エ門窯」に着目していきます。
真右エ門窯の軌跡
昭和47年、初代真右エ門(真一郎)が当時としては数少なかった大物造りに思いを馳せ真右エ門窯を起こしました。初期においては染め付けの大物(二尺~三尺高)を造っていましたが、次第に窯変物へと変わってゆきます。
特に辰砂との出会いは後の真右ェ門窯に大きな影響をもたらすことになりました。最近では「造りの冴え、釉の妙」をキャチフレーズに、ルビー色の辰砂や結晶釉などの窯変物を中心に、釉薬を巧みに操る釉彩の技法を得意とする窯元です。
窯の中で釉薬の色を変化させ宝石のような色味を出す「窯変」を得意とする、真右エ門窯。1965年頃までは二尺三尺の大物を扱っていました。
近年ではルビー色の辰砂や銀白色や金茶色の結晶が現れる油滴天目など窯変物を中心に、釉薬を操る釉彩の技法を巧みに使います。同じ釉薬でも毎日の窯の温度や天気、窯の置く場所などによって違いが生じるため同じものは1つとしてなく、1品ものの出会いを求めるファンが絶えません。
二代目真右エ門 馬場九洲夫
二代目真右エ門(馬場九洲夫)は、窯変技法において日本を代表する作家です。「窯変」とは焼成中に土や釉薬に含まれる成分が化学反応を起こし、独特の色彩や結晶、結晶を生む現象の事を言います。その天然自然の美は宇宙の神秘にも例えられます。 真右エ門は2012年度、日本最大の美術展であり、陶芸界で最も権威と名誉ある賞とされる、第四十四回日本美術展覧会(日展)工芸美術部門の特撰受賞の快挙を成し遂げました。 2000年の県展50周年特別賞をはじめ、12年の現代工芸美術九州会展覧会最高賞など数々の受賞歴がございます。
真右エ門窯の特徴―「窯変」とは?
窯変(ようへん)とは、窯の内部で作品に生じた色の変化のことを言います。窯の炎による現象であることから「火変わり」ともよばれます。その色の重なりは時に模様を形成し、陶磁器の色彩をより深く、味わいのあるものにしています。
ちなみに、窯変はaccidental coloring (偶然生じた色彩)と英訳されることもあります。陶磁器を焼くときに作品を窯に入れるわけですが、高温で焼成すると窯内部の化学物質が反応しあい、陶磁器に様々な色相が生まれます。
うるおいを湛えて曙色に染まるしっとりとした趣。手にする人の心に静かに寄り添う上品な表情は、日本伝統工芸作家の馬場真右衛門が“窯変”と呼ばれる技巧によって極めた美の姿です。釉薬に配合した微量の銅と炎との出会いが日常使いのうつわの上でふたつとない輝きを放ちます。
文章で表すよりも、写真を見ながら感じ取ったほうがその美しさが伝わりやすいかもしれません。
以下、真右エ門窯の代表的な窯変物を一部ご紹介します。ちなみに 釉薬を用いたものは施釉(せゆう)作品といいます。
油滴天目
漆黒の釉中にまるで油の滴が浮いているかのように銀白色や金茶色の結晶が現れたものを油滴天目といいます。古来茶人のあいだで燿変につぐ銘品として珍重されてきました。油滴天目は窯の中で割れ易いことから土物に釉をほどこした作品が多いのですが、真右ェ門窯はあえて磁器で制作しております。
こちらは真右エ門窯の人気商品、油滴天目のマグカップです。安定した形状とたっぷり入る容量で人気の逸品です。
倒れにくいように設計された幅広の高台には、安定した富や地位などの願いも込められております。
吸い込まれそうな燻し銀の輝きは、銀油滴と呼ばれ、かつての戦国武将や茶人にも長きにわたり愛されてきた油滴天目を、現代的に蘇らせた真右エ門独創の逸品です。
斑紋の出方も作品それぞれで、世界にひとつの宝物のように異彩を放ちます。
存在感あるマグカップで男性へのプレゼントに特に人気の一品です。
銀河(青天目)
二代真右エ門は油滴天目の再現だけではなく、全く違うアプローチから独自の天目を追求してきました。それが、銀河です。
油滴天目は、真右ェ門の作品の中でも基本となる施釉法です。これを発展させたものが、「銀河」又の名を「青天目」です。
「銀河」は二代目真右ェ門が窯変により「偶然」生まれるはずの模様を、確かな技術に基づき夜空に青白い星々を散りばめたような様子を「必然」的に表しています。
こちらの夫婦湯呑みはギフトとして人気が高く、
・軽くて使いやすい
・銀河模様が美しい
・手入れしやすい
・使い勝手がいい
・銀河の柄が素敵
・カップル向け
・ロマンチック
・伝統的な作風で銀河模様を表現できる作家さんの腕前がすごい
・有田焼のイメージがいい意味で裏切られた
・青の銀河色にあこがれて
・金婚式や結婚祝い・退職祝いなどのギフトに
などといったお客様の声があります。
青き明星
天目に銀河釉を組み合わせた至難の陶技です。 宇宙をあまねく照らす星々をあらわしています。真右エ門窯の陶技はいずれも比類なき技術力を必要としますが、こちらの独創技法は窯中で焼成中の作品のすべてが割れることもあるほど難度が高いです。
こちらの夫婦茶碗は実際の使用感の良さと美術品のような美観が人気です。
漆黒の天目に、明星を表した釉彩が描かれた夫婦茶碗です。明星とは、明け方または日没後に1番星として輝く金星のことを指します。韻をひそめた天目には幽玄が漂い、澄んだ空気の中で一段と輝く明星は物事を照らし出す吉祥をあらわしています。新規で物事を始められる開業祝いや新築祝いの有田焼プレゼントにおすすめです。
「明星」つまり金星といえば、日没後に西の空で1番星として輝き出します。 その風景は「宵の明星」と呼ばれ、日本では夕暮れ時の馴染み深い風景の一つです。 また外国では、別名「Venus」などとも呼ばれ、古来より愛と美の象徴でありました。 その所以もまた、金星があまりにも美しく明るく輝く星であったからと言われています。 国外問わず、縁起の良いギフトとして人気です。
吸い込まれそうな程の星空の煌き、散りばめられた黒曜石のような斑紋、その神秘的な色使いは 長きにわたって有田焼を追究してきた「真右エ門」ならではの技術です。艶やかな漆黒、青き光線、高級感の漂う色彩の明暗が匠の技術により表現されています。
・磁器婚式を迎える友人
・結婚祝い
・海外土産
・黒地に青が珍しい
・内祝い
・新居用
・金婚式
豊かなフォルムながらに全く無駄を感じさせない、すっきりとした形状です。
まとめ
自在に窯変を操る真右エ門が作り出す珠玉のうつわ。大切なひとの節目の贈り物にいかがですか?