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記事: 白い焼き物といえば白磁 白磁の歴史や特徴

白い焼き物といえば白磁 白磁の歴史や特徴

白磁とは、白色の素地に透明な釉薬を施した磁器のことを言います。その歴史は古く、中国六朝時代に起こりました。青磁の製造技術の完成に伴い、発展していきたと言われています。唐時代になるとその生産が本格化しました。当時は南部には青磁、北部には白磁を焼く窯が多かったようです。国民の生活が豊かになり、文化・芸術が最も発達した北宋時代には中国全土に陶磁窯が築かれて名品が多く出回るようになりました。また、日本を代表するやきものである有田焼の、祖としても知られています。 豊臣秀吉の朝鮮出兵の際に、佐賀藩主の鍋島直茂が撤退時に売れてきた朝鮮陶工の中にいたと言われている李参平。彼が1616年、有田の泉山に良質の磁石を発見しました。その後日本で初めて李参平が、焼いたと言われています。当時すでに世界は絵付磁器の全盛期でした。純然たるものにはほとんどみるべきものがなく、すべては絵付磁器のための素地としたものでした。有田でもまもなく量産が始まりまったと言われています。また、古九谷や姫谷などのほかに平戸や薩摩などでも焼かれて、幕末の文化・文政年間には日本各地でつくられて日用品として普及しました。そして明治になって京都の3代目清風が、その美で一つの頂点を樹立したと言われています。 白磁とひと口にいっても、その種類には様ざまなものがあります。たとえば北宋時代、その中心だった定窯は周辺が石炭生産地ということで、焼成燃料は石炭を利用しています。そのために定窯のものは黄みがかった発色が特徴でした。景徳鎮窯は土と釉薬に鉄分が含まれているため、青みのあるものが特徴です。中国国内向けの日常雑器をはじめとして、アジア各地に多くのものが輸出されてきました。エジプトの遺跡からは、大量の白磁が出土しています。また景徳鎮は、釉薬が文様の線にたまって青みを帯びて、美しい水色を見せる青白磁も有名です。特に宋代のものは香炉や鉢、水差しなどに用いられています。それらは中国の宮廷、日本では大名クラスの上流階級に珍重されてきました。青花も景徳鎮で誕生した白磁の一種と言われています。これは釉下にコバルトで絵付けをし、透明釉をかけて高温度で焼成した彩画磁器です。元時代の青花は緻密なデザインで大作が多く、イスラム圏に多く輸出されています。 透明感のある優しい乳白色の美しさと上品な光沢、滑らかな手触りが特徴です。白一色のシンプルな器や、鮮やかに絵付を施した磁器など様々な器があり、それぞれの作品ごとに多彩な表情が生まれます。素地にガラス層を含んでいるため透光性もあります。 鉄分が少なく、ケイ酸とアルミニウムを主成分とする白素地に、鉄分のない植物灰から精製した無色の釉薬をかけ、高火度で焼成するのが基本的な製造方法です。窯内の温度は1300度近くで、酸素をたっぷり含んだ還元焼成が用いられています。釉薬が厚くかかった部分は、青みがかかっていたりします。