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記事: 欧米の有名メーカーバカラってどんな作り手?

欧米の有名メーカーバカラってどんな作り手?

日本でも有名なクリスタルガラスのメーカーとして知られるバカラは、フランスのロレーヌ地方にあるムルト=エ=モゼル県のバカラ村で生まれました。その歴史は、1764年にロレーヌ地方のモンモランシー・ラヴァル司教が、内戦やイギリス相手の戦争で疲弊した地方経済を活性化させるべく、当時の国王であるルイ15世にガラス工場の設立を願い出たことから始まります。最初は、工場長のアントワーヌ・ルノーの名前を冠したルノー・ガラス工場でしたが、後にバカラ・ガラス工場へと改名しました。しかし、最初からクリスタルガラスをつくっていたわけではありません。 まだ設立された時期にはクリスタルガラスの発明はされていても、透明で品質の高いものはできていませんでした。その高品質のクリスタルガラスの製造に成功したのは、バカラではなくサン・ルイというガラス工場です。サン・ルイの歴史は1586年に創業したガラス工場が、1767年にロレーヌ地方に移転し王立ガラス工場のサン・ルイとなったことに始まります。そのサン・ルイが1780年になり、高品質なクリスタルガラスの製造に成功しました。やがて1806年にバカラが一度倒産してしまうのですが、その際に工房だけは残っていたのでサン・ルイに10年間の一時的な合併されることになりました。その合併でクリスタルガラスの製造法が伝授され、1816年からようやくクリスタルガラスの製造が始まります。合併が解消されたあと流通提携をするための合弁会社は存続していたのですが、それも1857年に終了し1860年になって商標登録を行い、本当の意味で独り立ちします。 1825年にブランドのアイコンといえるアルクールシリーズがつくられ、パリ万博での高い評価を得たことでさらにブランド力を強めていき、多くのシリーズを世に送り出します。そうして現代では世界的なクリスタルグラスのメーカーとして、誰もが知る存在になりました。 そんなバカラのクリスタルガラスの特徴は、他のメーカーと比べても高いレベルにある技術力です。その技術力は、妥協をしない職人の姿勢から生まれています。それを裏付けるように製造された品のうち、3割前後は要求するレベルに満たないと破棄されています。つまり厳しい目で選びぬかれた品だけが、ブランドの看板を背負えます。 もちろん、作り手である職人の腕も優れており、フランス文化の継承者として認められるトップレベルの職人に贈られる賞「MOF(国家最優秀職人章)」を受賞している職人が多く在籍しています。その数は、他のメーカーと比べても、飛び抜けて多いです。 そうした高い技術力により生み出された製品は、透明感・重量感を感じさせる美しさがあります。また表面を弾いたときに奏でられる音は、まるで楽器から発せられる音のように澄んでいます。デザインの特徴については、シリーズによって彫りが深かったり、大胆なカットで複雑な輝きを生み出していたりと違いがあるので、シンプルなデザインを好む人から華美なデザインを好む人まであらゆるニーズに応えられます。